街でお買い物していると、年配の方を中心に、現金を利用している人をよく見かけます。
ほんの数年前に、各種QR決済の大規模キャンペーンが何度かありましたが、未だキャッシュレスの普及は道半ば。
いつも事務所ブログをご覧いただき、ありがとうございます。
名古屋と札幌で活動している、独立系ファイナンシャルプランナーのおさかべです。
私の自己紹介になります。
https://note.com/masaya_osakabe/n/n4bbef3c72c14
今回は、「現金決済を行うと日本経済全体で年間約8兆円の損失!?」について解説します。
現金をお財布から一生懸命出して、レジの方とお金のやりとりをしている姿を見かけると、「QR決済はまだしも、交通系カードやクレジットカードを使えば楽なのに」と思ってしまいます。
個人レベルでもキャッシュレス決済は、お金の出し入れの手間もなく、ポイントがついたり割引があるなど、とても便利です。
社会全体で見ても、電力や設備投資などの大幅なコスト削減になるのでとても良いことなのですが、日本ではキャッシュレス決済がまだ根付いていません。
キャッシュレス決済の普及が緩やかな日本
他の先進国では、キャッシュレス化がかなり進み、現金利用率は40%以下。
それに対して、日本の現金利用率は約70%と断トツです。
世界のキャッシュレス普及率ランキング-海外と日本の「電子マネー普及率・決済事情・課題」の現状を比較 | 海外 | 海外進出ノウハウ | Digima〜出島〜 (digima-japan.com)
途上国ほど現金率が高いという状況がお分かり頂けたと思います。
日本は経済大国と言われていますが、お金の支払い方法に関して言えば、はっきり言って途上国レベルです。
日本人の根強い現金主義は、以下の理由が考えられます。
1、現金に安心感がある
2、その場で支払いが完結する
3、現金だと使いすぎる心配がない
4、Web上での資金管理に不安がある
5、スマホからの決済にハードルを感じる
6、現金のニーズが高い高齢者の増加
etc.
これらの考えもよく分かりますが、金融リテラシーのレベルが上がってくると、キャッシュレス決済の利用が高まっているのも事実です。
私の周囲でも、金融業界に身を置く方や投資活動に積極的な方、経済に関して一家言ある方、マネーリテラシーが高い方は、キャッシュレス決済を積極的に利用しています。
リサーチデータ(2020年)キャッシュレス決済に関する調査|リサーチ・行動ログデータなら楽天インサイト (rakuten.co.jp)
私自身も決済の3分の2以上は、キャッシュレスです。
現金を使う時は、現金しか会計できないお店、食事などで会計を割り勘にする場合、神社でお賽銭を収めるときくらいですね。
現金決済を行うと日本経済全体で年間約8兆円の損失という事実
皆さんが、現金決済を行うことにより、日本経済全体で年間約8兆円ものコストが掛かり、大きな損失を出しているという現状については知って頂きたいです。
例えば、日銀の紙幣製造コストや銀行内での現金関連業務、銀行からATMへの輸送費やそれに伴う警備費、ATM保守点検や運営費etc.
他にも様々な直接的なコストがあり、その総額だけで年間約1.6兆円にもなると言われています。
さらに、間接的なコストまで考えると、店舗での現金管理に関わる設備費や人件費現金受け渡しのミスによる生産性の低下など膨大なコストがかかっています。
これらの直接・間接を合わせた現金決済にかかるコストという名の損失は、年間約8兆円にものぼるという計算になっています。
ちなみに、ブルガリアやスロベニアなど、世界60~70位程度の国の国家予算は、年間約2兆円。
日本は、それらの国の国家予算の4倍ものコストを現金決済システムの維持のために使っています。
キャッシュレス化が日本政府の目標である80%まで進めば、コストは約4兆円削減できると言われています。
現在のちょうど半額ですね。
世界の中間国の国家予算の2倍ものお金をコスト削減できるのです。
個人的には、この膨大なコストが一日も早く削減され、社会福祉業界などの賃金などに使って欲しいと思っています。
前述した現金主義1~6の理由を解決するには、日本人一人ひとりのお金と社会に対する意識の改革が必要になります。
もちろん、現金決済自体を否定するわけではありません。
ご自身の考えや信念に基づいて、使われている方もいらっしゃると思います。
しかし、キャッシュレス決済のメリットや現金決済の社会に与えている影響を知らずに、現金決済をされているのはもったいないと思います。
だからこそ、マネーリテラシーを身に付けることをオススメします。
ご自身とご家族・子供達と日本の将来のために、一人ひとりがきちんとしたマネーリテラシーを学び、自分だけでなく社会全体の未来を意識できれば最高ですよね。
今までにお金の勉強と言える勉強をしたことがない人は、必要な知識を知らないことで自身の知らないうちに大きな損失を被っていることを知って欲しいです。
もし。ファイナンシャルプランナーなどのお金のプロに、資産形成や資産保全の相談をしたことがない人は、どんな資産状況においても一度、投資・資産運用の専門家に相談してアドバイスを受ければ、今より何か得られるものがあります。
SNSなどにも、情報はあふれていますが無料の情報がベースなので、発信者が責任を取ってくれるわけでもなく、質もそれなりということになります。
皆さんの一人ひとりの行動が、社会全体の意識を変え、水面下で起きている日本社会の厳しい状況を改善していく原動力になるはずです。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。
個別相談・セミナー・取材等の依頼は、こちらからお願い致します
投稿者プロフィール
-
名古屋市在住。個人を応援する30代の独立系FP。起業して6年目。
これまで1,500名以上のFP相談を受注。私自身「あの年齢の時に」「起業する前に」こんな情報を知っていたら、もっと早く確実に成果が出せたと思うことが沢山ありました。このブログでは、個人レベルで知っておくと役立つ、経済関係の時事ネタや家計・資産形成などについて、シンプルにかみ砕いてお伝えします。
最新の投稿
- お知らせ2024-11-08金融の本場であるアメリカ発祥の一見変わったセラピー
- お知らせ2024-11-0111月の営業について
- ブログ2024-10-28事務所ブログ:米大統領選後の日経平均株価への影響
- ブログ2024-10-10事務所ブログ:衆議院解散による日経平均株価への影響