事務所ブログ:政府の骨太の方針で示された、「資産運用立国」の実現とは?

今朝の日経新聞の記事にもありましたが、政府が突然「資産運用立国」の宣言を始めましたね。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB063SU0W3A700C2000000/

いつも事務所ブログをご覧いただき、ありがとうございます。
名古屋と札幌で活動している、独立系ファイナンシャルプランナーのおさかべです。

今回は「政府の骨太の方針で示された、「資産運用立国」の実現とは?」についてお話します。

いったいなんのこと、思われた方もいらっしゃると思います。

岸田政権は昨年来、資産倍増計画の一環で、NISAなど金融投資の拡充を進めています。

資産倍増計画についてよくわからないという方は、こちらの記事もご覧ください。

事務所note:政府の資産倍増計画に対する期待と不安|おさかべ@名古屋の独立系FP

今回は、この「資産運用立国」についての解説をしていきます。

こちらの記事も、参考になります。

骨太の方針が目指す「資産運用立国」、家計金融資産の“開放”がはらむ問題とは? | 政策・マーケットラボ | ダイヤモンド・オンライン (diamond.jp)

目次

政府は家計金融資産を開放し、預貯金偏重の家計を投資に振り向けることを意図している

政府は去る6月16日、
「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)」を閣議決定し、このような言及をしています。

「2000兆円の家計金融資産を開放し、持続的成長に貢献する『資産運用立国』を実現する。そのためには、家計の賃金所得とともに、金融資産所得を拡大することが重要であり〈中略〉これらによる家計所得の増大と併せて、持続可能な社会保障制度の構築、少子化対策・こども政策の抜本強化、質の高い公教育の再生等に取り組むことを通じ、分厚い中間層を復活させ、格差の拡大と固定化による社会の分断を回避し、持続可能な経済社会の実現につなげる」

とりあえず、堅い言葉が羅列されてますね。
分かりやすく説明するとこうなります。

「政府は2000兆円の日本の家計金融資産を使って、日本全体で『資産運用』を始めます。これは、家計の給与アップだけでなく、金融資産での収入アップも重視していくということです。これらの活動を通じて、社会保障制度の維持、少子化対策・こども政策の強化、質の高い公教育の再生等に取り組みます。そして、中間層を復活させ、格差の拡大と固定化による社会の分断を回避し、持続可能な経済社会を実現します。」

一見すると良い事を言ってそうですが、要は日本人全員に資産運用へ取り組んで欲しいということになります。

以前からも言っているように、個人的には、これらのことは必要だと思っています。

しかし、今の状況では、懸念材料が多いというのも現実としてあります。

円安ドル高で国内のさらなる物価高への懸念あり

昨年から、生活必需品を中心に、毎月のように物価高が続いていますよね。

そこにきて、政府のこの方針の決定です。

この決定が、そのまま実行されると、下記のような懸念があります。

「現状、95%以上が円建て資産で構成される2,000兆円の数%がドルなどの外貨建て資産へシフトすれば大変な円安圧力を生む」という懸念です。

例えば、2022年末時点で、日本全体の家計金融資産は約1,110兆円の現預金を保有しています。

このうち10%が、利回りの良い外貨に移るだけでも、110兆円規模の円売りが起きることになります。
これは、2022年の日本の経常黒字の約10倍に相当する規模といえます。

2022年に直面した円安による物価高は、社会問題化するほどのインパクトでした。

ここから、家計金融資産が無造作に外貨建て資産へシフトすると、さらなる円安を招く危険があります。

仮に、本格的な資産運用が始まった場合、どれほどの円安相場が実現するのか。
また、それが輸入物価上昇を通じて、どれほど日本経済の足かせになってくるのかという問題意識をどうしても抱かざるをえません。

なぜなら、円安で大企業は儲かっても、それらが国内に還元されない限り、内需中心の中小企業や個人事業主の経営は苦しくなり、物価高で消費者の生活も苦しくなる可能性があるからです。
さらに、資産運用ができない層と、さらに経済格差が拡がる可能性があります。

著名人の発言を始め、諸外国と比較した「安い日本」を象徴する出来事は枚挙にいとまがありません。

そのような社会情勢からも、資産運用をするなら、外貨建て資産に関心を持つ層は当然増えるでしょう。

その上で政策的にも「貯蓄から投資へ」を声高に叫べば、余計にその雰囲気は強まる恐れがあります。

日本では諸外国よりも、合理性よりも「皆がやっているからやる」という空気で、一気呵成(いっきかせい)に動く傾向があります。

国民全体の金融教育も不十分な現状で、多額のお金を振り向けることは、巡りめぐって自分の首を絞める恐れがあります。

だからこそ、経済・金融の勉強がより一層必要になってきます。

資産運用や物価高対策についてよく分からないという方は、当事務所へお問い合わせください。

これからの皆さんの投資やお金に関する知恵として、当事務所がお役に立てれば嬉しいです。

当事務所では、お金に関する知識や具体的な方法などについて、セミナーや個別相談でお伝えしています。

その知識と方法を学びたい方は、当事務所へご相談ください。

最後までご覧いただき、ありがとうございました。

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投稿者プロフィール

個人を応援する独立系FPおさかべ
個人を応援する独立系FPおさかべ(代表)
名古屋市在住。個人を応援する30代の独立系FP。起業して6年目。
これまで1,500名以上のFP相談を受注。私自身「あの年齢の時に」「起業する前に」こんな情報を知っていたら、もっと早く確実に成果が出せたと思うことが沢山ありました。このブログでは、個人レベルで知っておくと役立つ、経済関係の時事ネタや家計・資産形成などについて、シンプルにかみ砕いてお伝えします。

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この記事を書いた人

名古屋市在住。個人を応援する30代の独立系FP。起業して6年目。
これまで1,500名以上のFP相談を受注。私自身「あの年齢の時に」「起業する前に」こんな情報を知っていたら、もっと早く確実に成果が出せたと思うことが沢山ありました。このブログでは、個人レベルで知っておくと役立つ、経済関係の時事ネタや家計・資産形成などについて、シンプルにかみ砕いてお伝えします。

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